セブ島の語学学校に3ヶ月通うことになった。
出発1週間前、スーツケースに荷物を詰めながら「日本食を少し持って行こう」と思った。カップ麺をいくつか、ふりかけ、レトルトのカレー——でも調べてみると「肉エキス入りはNG」という情報が出てきて、手が止まった。
フィリピンって、EUとは違う規制があるのか。じゃあカップ麺の「かつお系」ならOKなのか。お菓子はどこまで持って行ける? eTravelってどこで登録すれば?——そういった疑問が次々と浮かんだ。
30カ国以上を旅してきた筆者が、フィリピンの食品持ち込みルールをまとめるよ。
EU規制とは違う「ASF(アフリカ豚熱)」という独自の文脈、2024年から変わったeTravelの申告方法、そして「実は現地で買えるものは持ち込まなくていい」という合理的な判断基準まで、全部整理する。
【結論】フィリピンへの食品持ち込みで最初に知るべき4つのこと

なぜフィリピンは肉製品に特に厳しいのか——ASF(アフリカ豚熱)という現実
EU圏(フランス・イタリアなど)が食品規制に厳しいのは「EU共通の家畜伝染病防止ルール」があるから。でもフィリピンはEU加盟国じゃない。ではなぜこんなに肉製品に厳しいのか。
答えはASF(アフリカ豚熱:African Swine Fever)と口蹄疫(FMD)だ。フィリピンは国内の豚産業を守るため、ASFが発生している国・地域からの肉製品持ち込みに対して特に厳格な検疫体制を敷いている(出典:JETRO – フィリピン食品・農林水産物規制)。
日本はASFが発生している国と見なされているため、肉製品・肉エキスを含む食品には厳しい目が向けられる。
ASFってなんですか? フィリピンはEUじゃないのに、なんでそんなに食品規制が厳しいんですか?
アフリカ豚熱という豚の致死率が非常に高い感染症で、フィリピンの豚産業がこれで壊滅的な被害を受けた過去があります。 EUとは別の文脈ですが、「外から持ち込む肉製品でASFを国内に広げたくない」という規制の理由は同じです。 だから特に豚肉・肉エキスへの警戒が強いんですよ。
フィリピンに持ち込み禁止の食品リスト
完全NG——肉・肉製品・肉エキス含有食品
- ❌ 生肉・加工肉全般(ハム・ソーセージ・ベーコン・ジャーキー)
- ❌ 肉エキス入りカップ麺・インスタント食品(チキンエキス・ポークエキス・ビーフエキス含有)
- ❌ カレールー(ほぼ全品に肉エキス含有)
- ❌ 肉系スープの素・コンソメ
- ❌ 生の果物・野菜(病害虫リスク)
カップ麺「肉エキス問題」——X線では見抜かれる
「加工してあるから大丈夫だろう」という思い込みが、フィリピンでは最も危険だ。
スーツケースに入れていたカップ麺を空港のX線検査で発見され、その場で没収されるケースが後を絶たない(出典:trektidetravels.com – フィリピンの食品持ち込み禁止リスト)。特にチャーシュー・肉そぼろのような肉のかけらが入っているカップ麺は、X線で「肉が見える」として即没収になるケースが多い。
「肉エキスは少量だから」「スープに溶け込んでいるから見えない」という甘い考えも、成分表示を確認される場面では通用しない。
カップ麺って加工してるし、乾燥してるし、大丈夫かなと思ってたんですが…X線って本当に食べ物を判別できるんですか?
フィリピンはASF対策でX線検査を強化している。カップ麺に入っている乾燥チャーシューや肉片は普通に検知される。「バレないだろう」という考えで没収・時間ロスになった人の話は多い。
✈️ 渡航前に日本で揃えたい!厳選アイテム
空港・現地で買うと"損"するものは、出発前にまとめ買いが鉄則です。
持ち込みルールを確認したら、次は「何を持っていくか」が重要。海外では日本食品が2〜3倍の価格になることも珍しくありません。ここでは持ち込みOK&現地で入手困難なものだけを厳選しました。出発直前に慌てないよう、この記事を見ながらポチッとまとめ買いしておくのがおすすめです。
「カップヌードルは現地で買える」——フィリピン特有の判断基準

他の国の記事では「現地調達」という選択肢を紹介しても、「でも現地では売っていない」ということが多い。フィリピンは違う。
日清カップヌードルをはじめ、多くのインスタント食品はフィリピン現地のスーパーで普通に入手できる(出典:kunyscafe.com – 日本からフィリピンに持っていけるカップラーメン)。マニラ・セブ島には日系スーパーやアジア系食材店も存在し、醤油・調味料・お菓子も手に入る。
つまり「日本から持ち込む価値がある品目」は、**現地で手に入らないもの・価格差が大きいもの**に絞れる。カップヌードルのためにX線検査のリスクを負う必要はない。
eTravelの申告方法

2023年4月に紙廃止→2024年5月にeTravel統合完了
フィリピンの入国申告システムは、2023年以降に大きく変わった(出典:ネイティブキャンプ – フィリピン入国時の税関申告書は廃止!)。
- 2023年4月15日:紙の入国カード・税関申告書が完全廃止
- 2024年5月以降:eTravelに税関申告も統合(一本化完了)
今はeTravel一つで、入国審査・健康情報・税関申告が全て完結する。
eTravelの正しい使い方(詐欺サイト注意)
ステップ①:公式サイト・アプリからアクセス

公式:etravel.gov.ph または eGovPHアプリ(無料)
有料を請求するサイトは全て詐欺。eTravelの登録は完全無料
ステップ②:フィリピン到着72時間前から登録

入国審査・健康情報・税関申告を入力。食品を持っている場合は該当項目を正直に記入
ステップ③:QRコードを税関で提示

スクリーンショットを保存しておくと安心!
フィリピン食品持ち込み・入国準備:よくある質問(FAQ)

カップ麺はフィリピンに持ち込める?
❌ 肉入りは没収リスク高。現地購入が最も安全です。
成分によります。豚肉・鶏肉などの肉成分が含まれている製品(カップヌードル・焼きそば系など)は、X線検査で発見されて没収されるケースが多いです。
昆布・かつおだし系(どん兵衛きつねうどん等)は持ち込める可能性がありますが、日清カップヌードルは現地でも安く購入できるため、無理に持ち込む必要はありません。
お菓子(チョコ・グミ・せんべい)は持ち込める?
✅ 少量の個人消費なら概ねOKです。
10個程度なら問題ないとされています。キャンディー・グミ・せんべい・塩味ポテチなど植物性成分のものは比較的通りやすいです。
ただし、大量持ち込みは商用とみなされる場合があるほか、肉成分が含まれるお菓子(肉系スナック等)は避けましょう。
eTravelって無料ですか? 有料サイトがたくさんあります
⚠️ 完全に無料です!有料サイトは全て詐欺です。
公式サイトは etravel.gov.ph(末尾が .gov.ph であることが必須)のみです。クレジットカード情報の入力を求められたら詐欺を疑ってください。
個人情報を抜き取られる被害が多発しているため、必ず公式URLまたは公式アプリ「eGovPH」からアクセスしてください。
フィリピンで日本食は手に入る?
🛒 主要都市なら普通に買えます。
マニラやセブ島には日本食材を扱うスーパーやアジア食材店があり、調味料やお菓子が入手できます。
日清カップヌードルは現地スーパーの定番商品です。持ち込みで没収されるリスクを考えれば、現地調達という選択肢が非常に合理的です。
英語留学で3ヶ月。大量の調味料や食材を持ち込める?
💡 「現地で買えないもの」に絞るのがコツです。
個人消費の範囲なら基本はOKですが、あまりに大量だと「商用目的」を疑われる可能性があります。また、肉エキス入りは量に関わらずX線で発見されます。
現地で手に入らないこだわりの調味料に絞って持参し、カップ麺などは現地で買うのがスマートなパッキングです。
まとめ——フィリピン旅行のパッキング鉄則

フィリピンの食品規制の根拠はEU圏とは異なるASF(アフリカ豚熱)だ。でも結果として「肉・肉エキスはNG、個人消費の少量お菓子はOK」という大枠は他の国と似ている。
フィリピンならではのポイントは「現地でも日本の食品が手に入ること」。わざわざリスクを負って持ち込む品目を絞れば、入国がずっとスムーズになる。
パッキングの不安が消えたら、あとはセブ島のビーチや英語学校を思いっきり楽しんでほしい。フィリピンの海は本当にきれいだから、食べ物の心配より泳ぐ準備に時間をかけた方がいいよ。